事業名 | トータルプラン作成支援事業 |
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商店街名 | 当別町商工会/北海道石狩郡当別町 |
コロナ禍で顕在化した地域の課題を解決しようと’22年春から「トータルプラン作成支援事業」によるワークショップを実施した当別町商工会。商店街以外からも幅広く関係者が集い、話し合いが進められた。出されたアイデアをもとに、具体策としてのイベントも実行。その成功体験が未来へとつながっていく。
札幌から車でも電車でも約40分の場所にある当別町の中心市街地。JR当別駅の南側には「本通振興会」と「中央通り会」というふたつの商店街が交差するように広がっている。北海道開拓の歴史を刻む街並みに老舗店や人気店を擁するが、高齢化や長引くコロナ禍による消費動向の変化に、廃業や休業する店舗が続出。空き店舗が目立ち始めた。
そんな問題に対峙しようと、研修に集まったのは、商工会・商店街の関係者をはじめ、大学生、町役場や観光協会の職員、郵便局長、まちづくり会社のスタッフなど。多様なメンバーでワークショップを行い、じっくりと話し合った。
まずは「商店街にはノスタルジックな街並みが残る」「近隣に人気の道の駅や多数のゴルフ場があり、さらにロイズタウン新駅開業で観光客が期待できる」などの〝強み〞や〝追い風〞を把握することからスタート。そして、それらに商環境変化の影響を意識しながら「自分たちがめざす商店街」の姿を具現化するための5つの案を練っていった。とくに、駐車場を利用した〝キッチンカーイベント〞の案は、その場で具体的な内容が次々と決まり、早々に実行することに。研修終了の翌月には、「キッチンカーフェス2022」として開催され、コロナ禍でしばらくイベントが途切れていた地域に、久しぶりのにぎわいと新たなつながりをもたらした。
「単にイベントを行ったというのではなく、目標や方向性をみんなでしっかり共有できたことで、今後につながりました」と、当別町商工会会長の高橋昌二さんはその過程を振り返る。
すぐやる!
少し先に実行
これまでも活性化についての会議をやっていたが、なかなか具体的な次の一手につなげることができなかった商工会は、’22年3月、まずは「商店街よろず相談アドバイザー派遣事業」を活用。そこで、課題の明確化やビジョン・プランづくりの大切さを認識し、翌4月からこの「トータルプラン作成支援事業」をスタート。10月にはイベントも成功させた。
「小さくとも成功体験を重ねれば自信になる。行動を起こすことの大切さを実感しました」と話すのは、当別町商工会副会長と中央通り会会長を兼任する辻野浩さん。辻野さんは次なる取組みに向け、行動を起こす準備を少しずつ整えているという。
その取組みは、最大の課題である「空き店舗対策」だ。トータルプランの研修の最後に、講師の出口巳幸さんは「空き店舗は視点を変えれば『余裕店舗』。その余裕を活かして、今まで出たアイデアをプラス思考で実現させてほしい」との言葉を贈った。それを胸に、商工会は新たなスタートを切る。
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2022 Autumn(秋号)に掲載されています。
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