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活性化事例

新たな商店街がチャレンジ!スマホ教室で多世代交流の場づくり

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商店街名 大神商店会/神奈川県横浜市

’20年8月、JR横浜線大口駅を中心としたエリアに〝新しい時代のまちづくり〞をめざす大神商店会が誕生した。まちづくりのカギは「デジタル」にあると考え、高齢者向けのスマホ教室を開催。世代を超えたさまざまな交流が生まれている。

スマホの悩みを楽しく解決!デジタル活用で地域をつなぐ

学生たちが先生に!若者と高齢者の交流を実現
発起人で大神商店会会長の小野寺知恵さん。神奈川県の「商店街のにぎわいづくりにつながる専門家派遣制度」を利用し、専門家らの助言を得てわずか2カ月で発足にこぎ着けた
AR機能付き商店会マップ。QRコード付き店舗紹介やスマホを写真にかざすと動画が再生するAR機能を搭載。このマップを参考に地元の小学6年生たちも地域マップを作成したという

 横浜市神奈川区の大神商店会は、令和に誕生した新たな商店会だ。発起人は、この地で生まれ育った小野寺知恵さん。コロナ禍や高齢化で疲弊するこの街を何とかしたい。そんな思いから立ち上げを決意したという。

「私たちがめざすのは、古き良きものを受け継ぎながら、新しいものも取り入れていくコミュニティです。それにはまず世代やエリアを超えて迅速かつ、確実につながることが重要であり、そのツールがデジタルであると考えました」と小野寺さん。最初に手掛けたのは広域の加盟店を可視化したマップづくり。そこにはAR機能も盛り込んだ。

 さらに、地域の福祉施設・神之木地域ケアプラザからのアプローチもあり、意気投合して始まったのが高齢者に向けた「楽しいスマホ教室」だ。今やスマホは最も身近なデジタルツールだが、行政サービスなどのオンライン化が進むなかで、地域には使い方への不安や悩みを抱える高齢者も多い。そんな人々が集まって、マンツーマンでスマホを実際に操作しながら困りごとを相談できる教室を、’21年5月より毎月2回開催している。

スマホ教室は学生も参加者も全員で近況エピソードを交えた自己紹介でスタート。「初対面同士でも一気に打ち解け、気軽に相談しやすくなります」(小野寺さん)。終了後は、車座で商店会、学生、福祉施設スタッフと振り返りを実施。良かった点や改善案を毎回共有し、次回へつなげている

 当初は主に商店会メンバーが講師となったが、’22年4月からは同じ市内にある情報科学専門学校と横浜医療情報専門学校の学生たちがボランティアで参加。気軽に聞きたいことを何度でも聞け、問題が解決すれば世間話をしたり、昔話に盛り上がったり、1時間半の教室はあっという間だ。「孫と話しているようで楽しい」と喜ぶ高齢者も多く、学生たちにとってもボランティア活動に加え、この地域を知る貴重な体験になっている。

「こうした取組みを継続することでコミュニティが強化され、それが元気なまちづくりにつながっていく」と笑顔で話す小野寺さん。この経験を活かし、今後は商店会のマスコット制作やイベント開催にも取り組む予定。大神商店会のチャレンジは始まったばかりだ。


★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2022 Autumn(秋号)に掲載されています。
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