「若者の街」から「おしゃれな街」へ大きく変貌する柏の商店街

商店街活性化支援プログラム事業

都心から約30㎞、千葉県の北西部に位置する人口40万余りの柏市。「音楽とアートの街」として、若者たちから絶大な人気を博してきた街・柏も、地域経済にかげりがみえてきたようです。そのようななか、全国商店街支援センターの支援メニュー「商店街活性化支援プログラム」を活用し、さらなる躍進をめざし「若者の街」から「おしゃれな街」へ大きく変貌しようとしています。
すでに、事業計画はスタートしており、2011年(平成23年)2月17日「第4回 柏駅東口グランドデザイン協議会・役員会」が、京北ホールで行われました。

駅前に建ち並ぶ商店街
柏駅東口周辺は、1973年(昭和48年)、日本で初めての市街地再開発事業によって再開発ビルが整備され、そごう柏店や丸井柏店、ファミリかしわ、スカイプラザ柏などの大型店も立地。
そのまわりには、柏駅前通り商店会、柏二番街商店会、協栄商店会などの商店街にブティックや飲食店などが多数連立し、常磐線沿線を代表する商業都市となっています。
現在、駅前のメイン通りは、電線を地下に埋設し、植栽が施された歩道にはベンチが設けられるなど、整った景観です。

千葉県柏市

「若者の街」といわれてきたわけ
数年前までは、駅前のぺデストリアンデッキ(通称:Wデッキ)で、多くのストリートミュージシャンたちによるライブ演奏の音が鳴り響いていました。駅から歩いて1分の「柏二番街商店街」では、路上で絵を描くパフォーマンスや「JOBANアートラインプロジェクト柏」によるアートイベントなども繰り広げられていました。休日になると、柏駅前通りは歩行者天国になり、屋外空間を舞台とした地元関係者によるイベントが開かれ、街は若者たちであふれかえっていました。その結果、若者に人気の古着やファッション雑貨などを扱う店が裏通りに増加し、「裏カシ」ともてはやされ、「若者の街」というイメージが定着したのです。
しかし、若者たちでにぎわっていた柏の街も、時とともにその風貌が変わりはじめてきました。その要因には、①2005年のつくばエクスプレスの開通により、柏駅の乗降客が減少したこと、②つくばエクスプレス開通に伴い、大型ショッピングセンターが相次いで出店、③駅周辺の商業施設の老朽化などによる魅力の低下、などが挙げられます。
「2008年(平成20年)のリーマン・ショック以降は、集客が低迷。商店街の売り上げが、2年間も続けて下落という状況になったとき危機感を覚えました。このままでは街が衰退してしまうと判断し、手を打つことにしたのです」と、語るのは柏二番街商店会理事長の石戸新一郎さん。
「街づくりの仕掛け人」として各方面から注目されている方で、現在、柏駅周辺イメージアップ推進協議会・ブランディング委員長も務めています。

 

「ブランディング委員会」を設立
柏に来街者を呼び戻す新たな戦略が必要となったため、柏駅周辺イメージアップ推進協議会内に「ブランディング委員会」を設立。
この会の目的は、郊外の大型ショッピングセンターとの差別化をはかり、多様な消費者ニーズに対応するため、商店街のブランド化のビジョンを描くことです。そこで、新しい時代に合った商店街をイメージし、駅周辺のトータルなビジョンをも決めることにもなったのです。
そこでまずは、商圏調査や地域住民への各種アンケート調査を実施。それらを分析して対象地の問題を抽出し、さらに研究に研究を重ねていきました。
その結果、「若者の街」から「おしゃれな街」へのイメージチェンジの必要性に意見が一致。それを具現化するためには、柏駅東口周辺の景観をおしゃれに装う必要がありました。



駅前には、オープンカフェがお目見え?
「おしゃれな街」とのキーワードで駅周辺を見わたすと、現在、柏駅前の歩行者用Wデッキは老朽化が進み、柏市が全体補修と耐震補強の改修工事を進めています。この工事によってWデッキ上部は、コンクリート製の壁面からガラスを多用したデザインに一新し、見通しがよくすっきりしたモダンな印象になるとのこと。
ただ、Wデッキ下部は工事の対象に含まれていないため、未着手のままになっていました。これでは、景観として考えても上下間に差が生じ、美しくありません。ましてや、ここは駅前の重要なスペースです。
「ブランディング委員会」は、ビジョンやブランドイメージに添って考え、駅前のオープンスペースを商店街が主体となって整備し、有効利用することにしました。
協議会の設立に先立って地域住民へ実施したアンケート調査の結果、「買い物途中で休息できるオープンカフェが欲しい」との声が多かったことを考慮。駅前のスペースに、オープンデッキのカフェを設けることになったのです。そして、Wデッキ下部の約2300㎡のスペースを拠点にし、柏の街を大きく変貌させる青写真が完成したのです。
2012年(平成24年)の春までには、ファミリかしわ前のイベント広場にカフェが完成予定。また、そごう前にイベント広場が、スカイプラザ脇にはオープンカフェが誕生する案になっています。広場を核にして集客策を練るほか、ブランド専門店の誘致など、さらに大人が楽しめる街づくりをめざしています。

千葉県柏市2

国の地域商店街活性化法に基づく補助金を申請
整備するための予算を捻出するため、国の「地域商店街活性化法」に基づく認定を申請することに。その結果、認可されれば、経済産業省から補助金(中小商業活力向上補助金)の増額が受けられることになります。
申請時に策定された商店街活性化支援プログラムにより、企画構想、事業計画などが、いちだんと緻密に練りあげられました。


今後に向けて
今後、広場の整備とあわせて、実施主体である商店街、柏市、商工会議所などの「ブランディング委員会」と「柏駅東口グランドデザイン協議会」の関係者が一堂に会して調整。また、全国商店街支援センターの支援を受けながら、新たな街づくりに向けてのコンセプトを詰めていく方針です。
古着屋など従来の若者向け店舗に加え、ブティック、高級ブランド店など、より幅広い年齢層の人々が、街を「回遊」しながら楽しむことができる店舗の誘致を検討しています。

千葉県柏市4

 

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