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災害対応テーマに「商店街フォーラムIN熊本」開催【全国商店街支援センター】 イベント

2017年03月09日 (木曜日) 12:00

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「商店街フォーラムIN熊本」のパネルディスカッションの様子(2017年3月6日、熊本県熊本市内のホテル)

 「熊本地震から1年。復興から活性化へ」をテーマに「商店街フォーラムIN熊本」が3月6日、熊本県熊本市内のホテルで開かれた。主催は全国商店街支援センター。

 フォーラムには熊本県内の商店主を中心に、行政、商工団体関係者など約140人が出席し、災害時に必要な備えや地震の打撃を乗り越え今後の商店街の活性化につなげるための方策などについて情報交換を行った。

 同支援センターでは「商店街活性化の成功事例を報告するフォーラムは毎年開催しているが、災害をテーマにした会合は今回が初めて」(事務局)だとしている。

 フォーラム前半は、熊本県商店街振興組合連合会の釼羽逸朗会長や危機管理アドバイザー・国崎信江氏らによる講演等が行われた。釼羽会長の地元挨拶では、多くの家々が倒壊した震源地の益城町やアーケードが大きく損壊した健軍商店街等の映像が次々と映し出され、地震被害の大きさを改めて実感するところから始まり、復旧復興に向けての取組みの様子、商店街がこれから行うべきこととしての提言が示された。釼羽会長は、熊本地震の体験を教訓として言い伝えていくために、商店街自身が緊急連絡網の整備など緊急時への準備を行うことの他、熊本県、九州全体、全国商店街振興組合連合会という大きな組織とも広域的な連携を構築することが重要であると述べた。また、商店街が持つ地域コミュニティの役割を最大限に生かし、災害時には、商店街に集まる、行政の生活支援情報、建て替え工事等の情報、医療情報、交通情報などを整理し、地域住民に向けて発信していく必要性も説いた。

 後半は、パネルディスカッションを開催。流通科学大学の石原武政特別教授がコーディネーターを務め、地元からは熊本市中心商店街等連合協議会の松永和典会長、阿蘇門前町商店街若きゃもん会の杉本真也前代表が出席。地震の際には阿蘇地域と連携した大分県竹田市の野田良輔副市長、阪神淡路大震災時に神戸市役所職員として対応にあたった神戸元町商店街連合会の中多英二事務局長、観光まちづくりカウンセラーの今村まゆみ氏が参加。約1時間半にわたり、災害時の対応や教訓、復興に向けた方策について議論を交わした。

 熊本市の下通・上通地区は、名物である巨大アーケードの損害が少なく大きな被害は免れた。一方、阿蘇地域は有力な観光資源である阿蘇神社が倒壊するとともに、県内・県外から阿蘇につながる道路や橋が崩壊するなど大きなダメージを受け、今なお観光客の減少に苦しんでいる。

 熊本中心商店街の松永氏は「熊本で地震があるとは全く思っていなかった。水害を想定したハザードマップは作っていたが、地震対策は全然できていなかった」と指摘。必要な備えとしては「自分たちとお客さまの分も含めて20日分くらいの備畜が必要。地震保険にも入っておくべきだ」と強調した。

 阿蘇の杉本氏は発災直後に商店街が近隣住民の支援に重要な役割を果たした経験を披露。各種の店舗の食材を持ち寄って炊き出しを行い、救援物資が届くまでの食料確保ができたという。また「阿蘇では少子高齢化が進んでおり、商店街の中には民家もあるが、耐震の家はほとんどない。(地震でこうした家屋が倒壊し)解体されると商店街の体をなさなくなる」と警鐘を鳴らす。このため、住宅の耐震化を進める運動を行う方針を明らかにした。

 今後の復興と活性化については、竹田市の野田氏が「商店街が復興することで地域も生き残るという使命感を持ってほしい」、元町の中多氏は「神戸は復興の目標設定が短期すぎたという反省がある。売り上げ目標1億円に設定すると、そこまではみんな必死でやって達成するが、そのあとは『へ』の字型になる。常に次の目標設定が必要」と訴えた。今村氏は「是非復興ツーリズムを行ってほしい。熊本城や阿蘇神社の(再建過程を見に来てもらう)観光が成立するのではないか」と提案した。

 熊本では2017年を「復興元年」と位置づけている。地震前の姿に戻す単なる復旧ではなく、さらに強靭で魅力的な都市に再生する「創造的復興」を掲げている。熊本市中心商店街や阿蘇をはじめ県内事業者にとって、今回の地震をチャンスととらえ、より魅力的な商店街作りを進める考えを改めて確認するフォーラムとなった。

(C)時事通信社

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