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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

ビジョンができるまでを密着取材! 各種連携 コミュニティ その他

商店街の目指すべき方向性をメンバー全員で議論し、結論をキャッチフレーズ化。キャッチフレーズは、迷った際に立ち戻れる“灯台”の役割を担う。また、議論の過程では、商店街の現状と理想像を明確にし、そのギャップを埋める方法を考えることで、課題もはっきりする。もちろん、メンバーの主体的かつ積極的な意見と、それを共有することが大切だ。

商店街名 一色大滝商店会/神奈川県三浦郡葉山町

商店街が目指すイメージを言葉に

漠然とした「ありたい姿」を具体化し、実現するために

「商店街をより良くしたい」という気持ちはあっても、何をどう変えればいいのかを当事者だけで考え、実行するのは難しい。そこで活用したいのが、「トータルプラン作成支援事業」だ。神奈川県にある一色大滝商店会では、’18年の6月からその実践コースに取り組んでいる。8月までに3回にわたり研修を行い、現状の商店街の強みと課題を洗い出したうえで、「将来こうありたい」というビジョンを投影したキャッチフレーズを決定した。その過程を追ってみよう。

まずは、自分たちの商店街の強みと弱みを知ることから始めよう!

どんな商店街組織になりたいか考えていったら、課題も自然に見えてきた。

明確になった課題を達成するために、ビジョンを示すキャッチフレーズを決めよう

店主一人ひとりが主役!ビジョンは自分たちで決める

同商店街は、一般的な商店街のように店舗が連なっておらず、県道27号線を中心とした約4㎞の範囲にぽつぽつと店舗が点在している。そのため利用者から「商店街」として認識されづらく、店主同士の横のつながりも希薄なのが悩みだった。

そんな中、商店会長・宮寺透雄さんの提案で「繁盛店づくり支援事業」を実施。
研修で顔を合わせるうちに店主間に交流が生まれ、やがて彼らを中心に商店街全体の結束力が高まっていった。その結束力が今回の「トータルプラン作成支援事業」への参加を実現させた。

夜7時、仕事を終えた店主たちが地元の集会場に続々と集まってくる。毎回10名ほどが顔を揃え、年齢層は30〜70代までと幅広い。研修はワークショップが中心で、講師はテーマの設定や解説、必要に応じて助言を行うが、主役はあくまでも参加者自身。最終決定権も参加者にある。特徴的なのが、「他人の意見を否定しない」というルール。誰もが自由に発言できる雰囲気があり、キャッチフレーズを決めるにあたっても全員がアイデアを出し、納得するまでディスカッションを重ねて絞り込んだ。
今後は、「ビジョンに見合う商店街になるためには何が必要か」を考えながら具体的な活性化プランを立てていく予定だ。






【column】繁盛店づくり支援事業で、横のつながりが強化

「繁盛店づくり」で成果を得たLEAF HAYAMA

’16年と’17年の2期にわたって「繁盛店づくり支援事業」の実践コースを活用した一色大滝商店会。商店会長の宮寺さんが支援事業の存在を知り、商店会員に提案したところ、一年目は、家具や雑貨を扱う「LEAF HAYAMA」、飲食店「ひより食堂」、LPガス販売店「小林商会」など5店舗が参加を表明。二年目には、中華料理店「栄興苑」をはじめとする4店舗が研修に参加した。

足を運びたくなるような魅力ある店づくりを促進し、商店街の活性化を目指す同事業の研修では、たとえば「店の入口に華やかな植物を飾ってお客様の目を引くと良い」など、実践的な店舗改善策を専門家にアドバイスしてもらえる。研修を受けた店主からは、「自分の店を客観的に見られるようになった」、「研修の一環として他店を見学し、自分の店づくりの参考にできた」などの声が聞かれた。

この事業を通じて、個店の集客力・販売力アップを実現した一色大滝商店会だが、メリットはそれだけではなかった。以前からの課題であった「店主同士の横のつながり」が自然と強くなっていったのだ。一緒に研修を受けた店主の間に仲間意識が生まれ、誘い合わせて商店街の会合や理事会などに顔を出すようになったり、会員同士の親睦を深めるべく先頭に立ってバーベキューを開催したり……。さらに、子どもたちが楽しめる新イベント「一色大滝まつり」を企画し、’17年から開催。地域住民からも喜ばれている。
こうした店主同士の仲の良さは商店街全体のイメージアップにもつながっているようで、「このエリアでお店をやってみたい」と出店を希望する30〜40代の若手が近年増えてきているという。そして、新規参入した若手を古くからいる会員が応援し、商店街を一丸となって盛り上げていこうという機運も高まっている。宮寺会長も、「若い人は新しいアイデアを、古くからいる人はこれまでの情報を提供し、みんなで共通の目標に向かって進んでいけていると感じています」と笑顔を見せる。

「繁盛店づくり支援事業」をきっかけに生まれた結束力を活かし、’18年から「トータルプラン作成支援事業」へとステップアップした一色大滝商店会。今後はさらに地域住民への認知度を高め、親しまれ、必要とされる商店街を目指していく。





 
★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2018 Autumn(秋号)に掲載されています。
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