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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

世界一のイベントも成功!新たな地域の担い手の軌跡 イベント 地域資源 地域振興 各種連携 人材育成 コミュニティ その他

活性化に向けた取組みは、持続的な発展が大切だ。そこで、かつて注目を集めた商店街の取組みが、現在、どう進化を遂げているのかを追跡取材した。

平成23年度 現地マネージャー育成事業 他 活用

商店街名 若松商店街連合会/福岡県北九州市

7月29日に行われた「クロス乾杯」ギネス挑戦。世界記録となる4064人(2032組)の参加者が中川通りを埋め尽くした

DATA
JR若松駅から徒歩10分圏内にある、明治町銀天街とエスト本町商店街をメインとする連合会。業種は生鮮からブティックまで幅広く、商圏3km以内の住民を対象にしている

 北九州市の北西部に位置する若松区。中心市街地の商店街は「明治町銀天街」と「エスト本町商店街」がメインで、店舗数は約160。ここ数年は次世代への事業継承が成功し、少しずつ若手経営者が増加している。そのリーダーとして注目を集めるのが、「牛島時計店」の3代目でもある牛島源(みなと)さん。2007年に発足した若手経営者の集まり「若松がんばろう会」を率いて、商店街の活性化に奮闘中だ。

 牛島さんがまちづくりに意識的になったのは、’12年に参加した商店街と地域コミュニティのリーダー育成を目的にした「現地マネージャー育成事業」がきっかけだ。北九州商工会議所に紹介され研修を受講、そこで商店街活動の「見える化」の重要性を学ぶ。日報作成を通して、何にどれだけ時間を費やしているかを可視化することで、課題の洗い出しといった分析や効率的な事業戦略が可能になる。こうした具体的なノウハウに加えて「いざという時に助け合える仲間との出会いも大きかった」と牛島さんは話す。

     

明朗快活な性格の牛島源さん。「究極はまちゼミなどのイベントがなくても地域に必要とされる商店街が理想です」

 大きな学びを経て、まず若松で取り組んだのがまちゼミだった。
「まちゼミは商売に直結し、比較的手軽に始められる。まずお客さんに店を知ってもらうことが重要だった若松では、とても効果的に思えたんです」

 そうして’13年9月に第1回目を開催。店同士も互いの商売を知る機会が生まれ、街なかでの消費も増加した。そうして店主たちの意識を高めながら、持ち前の人脈や行動力を発揮。九州共立大学や海上保安庁等とも連携を実現し、商店街の枠を越えた個性的な講座も実施しながら回を重ねている。

クロス乾杯で ギネス記録を達成!

各ペアが腕を交差した状態で杯を交わした。

 牛島さんはさまざまなイベントにも携わる。とりわけ大規模だったのが、今夏同商店街で開催された「腕を組みながら乾杯をした最多ペア数(クロス乾杯)」のギネス記録挑戦イベントである。ギネスイベントともなると、準備にかける時間や、商工会議所、協賛会など巻き込む団体・人も通常のイベントとはケタ違いだ。牛島さんは仲間とともに準備に奔走した。そんな彼のやる気が伝播したのか、「若松がんばろう会」の中には会議や交渉を通じて主体的に行動を始めるメンバーも出てきた。

「大変でしたけど、こうした長い準備が必要なイベントこそ、人を最も変化させ成長させるんです」

 周到な準備を重ね、7月29日に行われた本番では、みごとギネス記録の達成に成功した。

当日、多くのメディアから取材を受ける牛島さん。

「イベントを通して、まちが動いていることを伝えたい」と牛島さん。それゆえ、実施にあたってはPRにも積極的に取り組んでいる。たとえば、プレスリリースは関係各所に必ず発信。
「一度つながった相手には必ず連絡します」との言葉通り、ギネスイベント当日も多くのマスコミが取材に訪れていた。また、各研修やイベントで知己となった近隣の商店街やまちづくりの仲間たちがボランティアで駆けつけていた。

「若松がんばろう会」の名刺には、若戸大橋を両サイドから手で支えるイラストが描かれている。ここには、地域の人々の橋渡し役になりたいという思いが込められている。
「最後はやっぱり人。みんなで協力して盛り上げていきたいです」
 新世代のリーダーは、縦横無尽に走り続ける。




【COLUMN】 

北九州商工会議所 中小企業部担当部長 
小倉サービスセンター長
馬渡哲也さん

“行動力があり 商売を考えられる 人材が何より重要”

 北九州商工会議所の商店街振興担当として、北九州の各商店街とも密接なつながりをもつ馬渡(まわたり)哲也さんは、市全体の概況をこう語る。

「小倉の商店街は大型店と商店街が連携している稀有なケース。ここ数年は旦過市場のにぎわいが周囲に波及し始めています。魚町商店街はリノベーションを終え、新テナントや人を呼び込む段階に。魚町サンロードも、特区の活用も含め常に先進的な取組みが期待されています。若松は若手に行動力があり、地域を巻き込んでいるのが素晴らしいですね。また、それぞれ適宜、研修や活性化事業を上手に活用している。そこで得た横のつながりの効果はこれから出てくると思います」

 馬渡さんは、商店街を発展させるには人材とビジョンが重要だと説く。

「行動力があり、商売をきちんと考えられる人がいれば、商店街は必ず盛り上がります。そして自分の商店街にどんな背景があり、何を目的にしているのかがわかるビジョンが大切。一緒に夢のある未来を描いていきたいです」




 


★この記事は、商店街活性化の情報誌「EGAO」の2017 Autumn(秋号)に掲載されています。
「EGAO」をご覧になりたい方はこちらへ。
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