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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

地域防災へ つながっていく 研修事業。 地域振興 各種連携 安心・安全 震災復興

 店主たちと地域が協力・連携して行う、商店街の防災の取組み。多くの人がかかわるからこそ、何らかの“きっかけ”が必要になる。そのきっかけが、支援センターの研修事業となったふたつのケースを紹介する。

商店街名 立川市商店街連合会 東京都立川市/石山商店街振興組合 滋賀県大津市

地域の絆を深める 防災マップ

商店街だからできる 生活密着型防災マップ

立川市商店街連合会 東京都立川市 ~商人塾支援事業

防災マップは、避難場所、公衆電話、井戸など掲載項目を絞ってわかりやすく、またメモ欄や余白を多く作り、家族で相談したことをどんどん書き込めるものにした

’12年、立川市商店街連合会では防災マップ付き「地震対応マニュアル」の作成を始めた。きっかけは、東日本大震災。毎日34万人もの乗降客がいる立川駅周辺では、2000人以上の帰宅困難者が発生した。またいつ地震が来るか不安な一方で、「自分たちの暮らす街がこうも脆いものなのか」と感じたという連合会の常任理事・五十嵐陸夫さん。商店街だからできることを考えていこうと呼びかけ、この取組みが始まった。

 防災マップは商店街単位でエリアを分けて作成。商店街がお客様にとって生活圏として把握しやすい範囲だからだ。行政的な線引きにとらわれないことも特徴的。たとえば市の境界線に近い「羽衣地域版」には、避難場所として隣にある国立市の学校も掲載した。一方、駅に隣接する「立川駅南口地域版」では、帰宅困難者になった方が滞在できるオフィスや貸し会議室などの施設を「朝までいられまステーション」として案内している。

 これまでに4つの商店街を含む3地域のマニュアルが完成。
「当初は連合会と地元商店街の役員中心で作成していましたが、途中から支援センターの『T HE商人塾!事業(現 商人塾支援事業)』に参加した新メンバーも加わり、若手たちが積極的に協力してくれました」と五十嵐さん。計画立案から始まり、掲載する施設を一軒一軒回って、交渉にもあたった。店頭配布の他、学校でも配布。親子で避難経路を確認するのに使ってほしいと呼びかけることで、商店街にも関心をもってもらえるツールにもなった。
 また作成を通じて、商店街のベテラン店主と若手店主との交流が深まったことも大きな収穫だ。「商店街では、人こそパワー。多くの人と交わって、地域全体のパワーアップにつなげ、もしもの際の力にしたい」と五十嵐さんは語った。




‘47年設立。市内26の商店街、約1,300店舗が加盟。利用者が地域住民中心の「近隣型」から遠方の利用者も多い「広域型」まで多様な形態の商店街がある

立川市商店街連合会 常任理事、たちかわ商店街研究会座長の五十嵐陸夫さん(左)と、事務局長の石井賢さん



共通のテーマ「防災」で 自治会との連携を強める

防犯・防災機能を高める 地域と歩む暮らしの広場

石山商店街振興組合 滋賀県大津市 ~トータルプラン 作成支援事業

 平成26年度にトータルプラン作成支援事業に取り組んだ石山商店街振興組合。「防災に特化した活性化計画」を作成した。

「石山は災害が少ないエリアですが、数々の震災を目の当たりにして、他人事ではないという危機感を覚えました」と同組合の神崎事務局長は話す。さらに、理由はもうひとつある。
「街の自治連合会と連携することが今後の地域の発展に不可欠。共同で取り組みやすい〝防災〞を切り口にすることで、関係構築のきっかけにしたかった」

 狙い通り、事業には地域の自治会も参加し、積極的な議論と交流がなされた。作業では、各自担当エリアの「事故多発地域」「避難場所」「AEDや防犯カメラの設置場所」などをマッピング。自治連合会とタッグを組んだことで、商店街の領域より広いエリアの情報がつまった地図になった。普段気づかなかったリスクの把握にもつながった。
「私たちは、商店街を〝地域と歩む暮らしの広場〞として位置づけています。この研修事業を契機に、地域全体の防犯・防災意識が高まり、新たな連携が生まれたのは大きな成果です」
 
 現在、研修事業での成果をもとに、防災マップを製作中。今年度中の配布を目指している。



以前は自治連合会との結びつきが弱かった。この取組みは、防災についてハード面・ソフト面ともに地域全体で考える一歩になった

DATA
店舗数200を超える近隣型商店街。地域住民も参画できる場づくりを大切にしている

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