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全国の魅力的な商店街をつくるための取り組み事例をご紹介します! 商店街活性化事例レポート

トータルプラン作成支援事業 プランづくりコース (平成25年度 商店街活性化計画作成支援事業) 地域振興 各種連携 創業促進 人材育成

将来への展望なきところに補助金はなし。だからこそ商店街は、明確なプランを持つべき。丸屋町商店街振興組合では、アーケードや路面等の補修のための補助金がきっかけとなり、支援事業に応募した。当初、消極的だった商店主たちの意識も事業の進行に伴い次第に変わっていき、前進のための大きな一歩となった。

商店街名 丸屋町商店街振興組合(滋賀県大津市)

真剣に課題に取り組む理事会の皆さん

市からのアドバイスで、応募へ

 滋賀県大津市の中心市街地、浜大津に丸屋町商店街はある。京阪石山坂本線浜大津駅から南へ徒歩6分という好アクセスと、湖国三大祭の一つ「大津祭」で主役となる曳山の展示館があることでも有名で、古くから親しまれてきた。
 

広域図


所在地:滋賀県大津市 店舗数:24店舗 会員数:27名 

 

丸屋町商店街振興組合理事長
(有)光風堂菓舗
代表取締役 小南利光さん

 近年、浜大津駅界隈ではマンション建設が盛んで、人口も平成17年を境に増加の一途をたどっている。しかし、同時に大型商業施設や百貨店も増えたことで、古くからの商店街が厳しい状況下に追いやられた。かつては人の肩と肩がぶつかるほどにぎわったというこの商店街も、今ではその半分がシャッターを下ろしているのが現状となっている。
 そんな丸屋町商店街が今回の事業に応募したきっかけは、小南利光理事長が大津市へ補修相談に訪れたことから。「雨漏りするアーケードの改修や、滑って危ない通路の舗装をしたい。そのための補助をお願いに行っただけなのに、思いもよらない展開になりました」。商工労働政策課の高橋宏司さんも当時を振り返る。「補助金には限度がありますし、商店街の明確なプランがなければ支援自体も難しくなります。なにより商店街自体が元気を取り戻さなければ。そこで、平成25年度商店街活性化計画作成支援事業に応募することを提案しました」。

   
                                                        

暗い、汚い…住民アンケートの結果で耳をふさぐ現状と向き合うように

 丸屋町商店街では年に3回、大きなイベントを行っている。夜市に大津祭の宵宮、そして毎年3月・6月・9月の第1土曜日に開催する「百円商店街」。これは各店舗で100円の商品を販売することで顧客を呼び込み、当日や次回以降の店内での買い物につなげてもらうのが狙い。いずれも毎回、若い家族連れなどでたいへんなにぎわいをみせている。ところが、こうして潜在的な買い物客を認識できていながらも、リピーターにつながらないことへの危機意識は薄く、理事会もこれらのイベントを滞りなく開催するためだけに運営されているのが実情だった。理事会のメンバーは40~50代が中心で比較的若手が揃っているが、多くの店舗は店主の高齢化が進み、住居を兼ねているため貸し出しもままならず、新規事業へ取り組むには腰が重かったのかもしれない。
 事業の実施が正式に決まっても、および腰のままの意識だったが、ワークショップ7回(うち調査3回、プランづくり4回)、講座2回と、プログラムが進むごとにその意識は徐々に変化していった。まず周辺住民に商店街のイメージアンケートを実施。「暗い、汚い」など、厳しくも客観的な意見が多数集まり、現状をつきつけられたことで、理事たちの気持ちが大きく動き出したのだ。
 「休憩場所が欲しい」という意見には、ベンチを数ヶ所設置。商店主と顧客のコミュニケーションが強みの商店街では高齢者に優しい配慮となり、いつの間にか手づくりの座布団が乗せられていた、というエピソードまで生まれている。また「車を気にせず安全に買い物がしたい」という意見には、日中の車両進入禁止の看板を設置するなど、まず出来ることから積極的に取り組み始めた。

「みんな集まる丸屋町スタイル」構想のもと長期的な目線で動き出した活性化計画

支援事業の様子

 平成25年8月からこの事業が開始され、翌1月に丸屋町商店街の活性化計画「みんな集まる丸屋町スタイル」が完成。コンセプトコピーは「LOVE 会話 SPACE」。高齢者には便利と安全を、30~40代には子どもと楽しめる居心地のいい空間を、との想いも込められている。
 「コーディネーターさんの司会進行が上手なんですよ。全員が発言せざるを得ないように誘導してくれて、今まで耳をふさいでいた現状に真正面から取り組んで、皆で真剣に話し合えるようになりました。意識が完全に生まれ変わりましたね」。小南さんの熱い語りには、確かな成果が感じられた。
 現在は平成27年度実施のアーケード改装案が進行中。その後はタイル舗装改修事業へ、まずは最大の課題である明るさと清潔感を演出するハード面から取り組み、長期的な目線で活性化に向けて動き出した。
 「この商店街の〝ファン”を増やしたい」。そんな想いを凝縮した理事会は、いまや毎回活発な意見が飛び交い、熱意あふれる議論の場に。新店舗出店など課題はあるが、理事たちの熱い気持ちは、丸屋町商店街に再び活気を取り戻すことを確信する空気に満ちている。

丸屋町商店街の活性化に向けて、 皆さんの活動を支援します

大津市役所 産業観光部商工労働政策課

大津市役所の高橋宏司さん(左)
仁科有加里さん(右)
中央に市のキャラクター・おおつ光ルくん

大津市では丸屋町商店街の事業を情報提供、補助金等財政面等で側面から支援しています。支援事業の講座やワークショップ、理事会の会議にも毎回出席してプランづくりを見守ってきましたが、回を追うごとに皆さんの意識が変化し、活気があふれてくるのを目の当たりにし、とても頼もしく感じています。これからは自分たちで集めた地域の声を基に作り上げた計画案を、時代にあわせてブラッシュアップしながら実現できるよう、大津市も商店街支援センターや県とのパイプ役として、変わりなく支援を続けていきたいと考えています。

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